役立つ法律

消費者契約法
消費者契約法を活用しよう!
消費者と事業者をつなぐ新しい民事ルール 消費者契約法を活用しよう!


近年、規制緩和などによって商品やサービスの多様化が進むなか、契約を結んだ後で、「こんなはずではなかった」「契約したこと自体が不本意だった」などと訴える被害が急増しています。その原因のひとつは、消費者と事業者との契約に関する新しいルールとして作られたのが「消費者契約法」です。

ポイント1

消費者契約法は、平成13年4月1日以降に消費者と事業者が締結した契約(消費者契約)のすべてを対象としています。(ただし労働契約や個人事業主の契約については、適用されません)


ポイント2

消費者は、事業者の不適切な行為により自由な意思決定が妨げられたことによって結んだ契約を取り消すことができます。

契約の「取り消し」ができる場合
1.不実告知
重要事項について事実と異なることを告げる
(例)中古車を買う際、販売員から事故者ではないと説明を受けたのに、購入後、事故の修理跡が多数見つかった
2.断定的判断
事実ではないものを、確実であると誤認させる
(例)事業者に「資金は絶対増やせます。元本割れはしませんし、円高にもならないでしょう」と言われたので外国債を買ったが、実際には円高になって大損した。
3.不利益事実の不告知
不利益となる事実を故意につげない
(例)事業者が実際には南側にビルができて日当たりが悪くなることを知っていながら、そのことを隠して「日当たり良好。ここは特別の立地条件ですよ」と言ったのを受け、マンションを買ってしまった。
4.不退去
帰ってくれない
(例)子供用教材の訪問販売員に「帰ってください!」と要求したにもかかわらず夜遅くまで居座られたので、やむを得ず契約してしまった。
5.監禁
帰してもらえない
(例)通行中にセールスマンにあい、近所の営業所まで連れていかれ、しつこく勧誘された。「帰りたい」と言っても帰してもらえず、契約してしまった。
 

不適切な勧誘(1.5.)で誤認・困惑して契約した場合
取り消しができます
取り消しができるのは1.〜3.の誤認に気づいた時、また4.5.の困惑行為を受けた時から6カ月、契約締結時から5年以内です。


ポイント3

契約内容について、消費者利益を不当に害する契約条項が規定されている場合、当該契約条項は無効となります。

契約条項が「無効」となる場合
1.
事業者の損害賠償の責任を免除したり制限する条項
(例)スポーツクラブなどで発生したケガの責任は、一切負わない旨の条項。
2.
不当に高額な解約手数料
(例)1年先の結婚式予約を解除したいが、契約書には高額な違約金請求が記載されている。
3.
不当に高額な遅延損害金
(年14.6%を超える額)

(例)家賃支払いが遅れた場合は、1週間あたり1割の遅延料も請求するなどという条項。
4.
信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項
(例)最終手金は個別具体例に即し司法の場において判断されます。

このような消費者に一方的に不当・不利益な契約条項
1.5.)の一部または全部
無効になります
その結果、民法・商法の規定に沿って判断されます。
無効の場合は期間制限がありません。