あかん! 違法年金担保融資

お知り合いのおじいちゃん・おばあちゃんに、違法な年金担保融資に
ひっかかり苦しい生活を強いられている方はいませんか?

憲法で、すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
と謳われていますが、どの程度が、最低限なんでしょうか?
少ない年金で慎ましやかに日々暮らしておられる高齢者は沢山おられると思います。
その最後の砦の年金を食い物にすることは、決して許されるものではないのです。

違法年金担保融資業者の手口

スポーツ新聞等で、中高年融資・年金立替・シルバーライフの応援などと
広告を出して高齢者を対象に勧誘している。

最初の融資に際し、年金証書・銀行通帳・印鑑・キャッシュカードを取り上げてしまう。
業者は、2ヶ月に1度銀行に振り込まれてくる年金を自らが銀行に出向き、全額を引き出し、
融資した金の返済に充てると言う名目で取り込んでしまう。

たちまち、年金受給者は生活に困り、自分の年金であるはずのお金を、
追加融資という形で受け取ることになる。
これでは、借金が減ることはない どころか どんどん増えていく一方である。

要するに、1年間の年金額が200万円あるとすると、
受給者には130万円ぐらいをちょっとずつ分けて融資の名目で
渡し、残りの70万円が業者の儲けになるのである。違法高利も甚だしいかぎりだ。
1社で、500人ほどの顧客がいると言われている。なんと、3億5千万円。

年金を担保に融資出来るのは、ここだけ(公的年金担保)

独立行政法人 福祉医療機構   http://www.wam.go.jp/wam/index.html

・手続が複雑

手続を代行して、だまし取ろうとする業者も増えてきている。
その際の代行費用も法外なものである。
・お金をもらえるまで、1ヶ月以上かかる
今、当座必要なお金のために即日融資という言葉に乗ってしまう。
・金利は安いが、返済条件が厳しい
以前は、年金全額を返済に充てなければならなかったが、今は半額返済というのもあるが
それでも、厳しいことには変わりない。
・破産した場合でも、免責されない。
悪徳業者に対する債務は、免責される。


被害者の救済

(T)まず年金を確保する
 
被害者の生活資金として、年金の確保をまず考える。
 年金の支給日が偶数月の15日なので、次の年金が絶対に業者の手に渡らないように
  しなければならない。
   @業者への通帳その他の返還請求
   A返済に応じない場合に振込先口座の変更
   B口座変更が間に合わない場合には通帳や印鑑、キャッシュカードの紛失届けなど。

(U)法的対応
 年金を確保することができたら、次に業者に対し、どのような法的手段をとるか検討する。

 取引履歴の開示請求を行い、利息制限法所定の金利に引き直して、残債務があれば
  特定調停などの手続で支払い、過払いになっていれば不当利得として返還を求める。
 これは、一般にサラ金などを相手として通常行われる手続であるが、年金担保の場合にも
  有効な手段である。また、取引履歴などは、年金支給額や業者の引き出した金額がすべて
  金融機関にデータとして残っているので、立証が容易にできるのが利点である。
 
 ただし、年金を実質的に担保として取る行為が強行法規違反であり、さらに通帳などを
  預かる行為が金融庁ガイドライン違反であることを主張し、不法行為に基づく慰謝料をも
  合わせて請求するべきであろう。判例もいくつか出ている。
 
 業者が違法に年金を担保に取り取得した行為が、各年金法違反、公序良俗違反、著しい
  反社会的行為であるとして不法行為に基づく損害賠償請求を行う。この場合の損害額は、
  業者が不法に取得した年金の総額である。前項と同様に精神的慰謝料も合わせて請求する。
  不法行為に基づく請求なので、仮に業者の債権が残っていても業者からは相殺できない。
  本来の金銭消費貸借について、業者からの請求があれば不法原因給付などで争うことになる。
 
 違法年金担保を条件とした、金銭消費貸借契約自体が強行法規違反でしかも著しい
  反社会的行為であり、公序良俗に反して無効であると主張する。
  業者の債権については前項と同様に当然に不法原因給付であると主張する。
 これは、違法年金担保について一番強行な姿勢で対応する手段である。
  
(V)監督官庁への行政処分の申し入れ
 違法年金担保が発覚すれば、その都度監督行政官庁に対し業者に対する
 行政処分の申し入れを行う。指導監督に消極的な行政には積極的に働きかけるべきである。

                              この項、日本司法書士会連合会 月報司法書士(No.366)
                              大阪司法書士会会員 関井正博氏論考より引用

司法書士の取り組み

弁護士や司法書士らのグループ「年金担保被害対策全国ネットワーク」(大阪市)
事務局長:大阪司法書士会会員 関井正博氏
TEL06・6361・0546(月―金、午後1―5時)

被害者を救うために、ネットワークの弁護士・司法書士らは業者に損害賠償を求める
訴訟を起こすことが多い。また、不当な取り立てであるとして、貸金業規制法や貸金業者の
監督に関するガイドラインを根拠に、監督官庁が業者に業務停止処分をかけることができるため、
行政処分の申し立てを行うこともある。  

しかし、こうした裁判や行政処分の申し立ては被害者救済の決め手にはなりにくい。
被害者はお年寄りが多く、こうした手段に持ち込める人が少ないからだ。
そこでネットワークは、根本的な対策として、違法な年金担保融資をしたときの罰則規定を、
年金関係の法律や貸金業規制法に盛り込む運動を展開している。  

国会議員への働きかけも続けており、それが民主党のワーキングチーム設立につながった。
座長を務める衆院議員の中塚一宏さんは「できるだけ早く民主党案をまとめ、他党にも働きかけて
議員立法の形で法制化したい」と話す。  

昨年、ヤミ金融業者に対する罰則強化などを内容にしたヤミ金融対策法が制定され、
警察も摘発を強化。ヤミ金融による被害者はかなり減った。
ネットワーク所属の弁護士や司法書士らは「年金担保融資に関する罰則規定を作れば、
同じような効果が期待できる」と強調している。

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