10月13日 (水)  女の強さ

午前中、仕事の用事で初老のご婦人と話す機会があった。
昭和初めの生まれらしい。
凛として、楚々とした上品な感じの方であった。

仕事の話の後、いろいろな話を聞かせて貰った。
嫁・妻・母 そしておんな。

実家では、何不自由なく暮らしてきたお嬢様。
結婚するときには、今までどおり お琴・お茶・お華
のお稽古はさせてもらえると聞いて嫁いできた。
でも、現実は最初から違っていた。
「下女のように、働きましたよ」
舅、姑に仕え、夫に仕え、子育てし、家業もこなす
まぁるいお嬢ちゃまは、どこえやら・・・
はっきりと「苦労しました。」

月日が流れて、舅、姑は他界し、子供達は独立し
夫は、ご時世で家業は閉鎖し、ご隠居。

「人生これからだと、思っております」
凛として、目前に座しておられる婦人。

どれだけの苦労があったのかは、私にはわかりません。
でも、これからこの家のあるじは、この人なんだろうな。
夫を立てつつ、自分の人生を花咲かせていくんだろうな。

そこが、男の帰り場所なんでしょうね。